「ビルメン」という仕事を聞いたことがあるでしょうか。
正確には「ビルメンテナンス」、企業・求人媒体によっては
「施設管理業務」
「設備管理業務」
「建物の維持管理業務」
などと書いてあることもあります。
広義の「ビルメンテナンス」として清掃業務に加え、警備業務なども加えて「総合ビルメンテナンス業」を名乗っている会社も多くありますが、単純に「ビルメン」と言った場合には
「建物の中にある設備の維持・管理・営繕」
が主流になります。
このHPでもビルメン=設備管理として説明していきます。
どんな仕事してるの?
皆さんの生活に欠かせない、各種のオフィスビルや商業ビル。
最近ではマンションもタワーマンションや大型マンションなどが増えて、一昔前のオフィスビルを遥かに超える規模になっています。
これらのビルを支えるには、様々な設備が不可欠で、それが正常稼動するように四六時中管理するのがビルメンのお仕事です。
電気は建物の血液とすら呼ばれるほど重要なものです。電気が無くては何一つ現代のビルは動く事が出来ません。
消費電力の大きい大型の建物では6600Vの高圧電源を受電して、内部に変圧器を有しています。
(更に大きなビルでは66000Vや22000Vもあり)
電気は便利な反面、一度事故を起こせば感電・火災などで容易に命を奪います。
受電した電気を各末端の需要家まで安全・正常に届ける電気設備はビルメンの重要な管理対象です。
「水」も重要です。
水道局からは品質の保証された水が送られてきますが、向こうが保証してくれるのは水道メーターか敷地の境界線まで。
一度、建物内に入れば我々ビルメンが末端まで綺麗な水を送る責任を負い、そして使い終わった水は公共の下水道へスムーズに放流しなければなりません。
あまり知られていませんが、下水道へ放流するにもゴミ捨てのようなルールがあるのです。
暑い夏や寒い冬にはエアコンも欠かせません。
火災を見張り、初期消火や避難路を確保する消防用の設備は、適切に管理されていないと「もしも」の時は命に関わります。
インターネットや電話を使用するには電話回線が必要ですし、エレベーターやエスカレーターが故障で止まれば大きな御迷惑をお掛けします。
ビルがその機能を維持するには、膨大な数の設備が動いているのです。
ビルメンはこれらの設備を総合的に維持管理する仕事を担っています。
と、いっても現代のビルはあまりに設備が複雑化しすぎていること、また各メーカーが情報を出したがらないこと、そもそもメーカー従業員じゃないと取得できないような専門資格が無いと法的に触れないものもありますので、ビルメンの仕事は
「設備が正常に動いているか、異常の予兆は無いか」
を監視・点検することが主になります。
何かしらの異常が検知されたり、または故障した場合には、応急処置だけ手前共で行って、メーカーのサービスエンジニアに引き継ぐ機会が圧倒的に多いです。
またビルメン会社によっては、エネルギー管理業務やらテナントとの作業調整、修繕計画の作成、予算折衝、修繕作業の施工管理などマネジメント的な部分に関わっている事もあります(系列系のビルメンはこの傾向強し)。
ビルメンだけど工事の現場監督みたいに、ワイシャツ・ネクタイに、作業着ジャケット羽織って仕事していることもありますよ。
ビルメンで一括りにするのは「建設業」で現場監督から施工管理、作業員まで全部まとめて一括りにするのと同じようなもので、意外と仕事の幅は広いのです。
一般に系列系のビルメンは現場よりも事務仕事が多く、独立系は現場仕事が多目です。
ビルメンの種類
一口にビルメンと言っても、実はかなり種類があります。
建物の規模・用途なども絡んできますので。
大まかに分けると巡回型と常駐型の2種類になります。
巡回型ビルメン
社用車を使って、担当する建物を廻り、それぞれで定期点検を実施しながら異常発生時にはトラブル対応要員として駆けつけるスタイルです。
(巡回兼トラブル要員というのもあれば、事務所で書類とか作りながらトラブル発生時には駆けつける「待機」のスタイルもあり)
マンションや中小のオフィスビルなどを担当する会社は、このスタイルが多いかと思います。
(マンションにはパートの管理人を置くか遠隔監視で、設備の専業であるビルメンや清掃員は巡回で対応させる)
求人欄に
「必要資格:普通運転免許(AT限定可)」
と書かれている場合も、巡回型ビルメンが多いかと思います。
点検作業は2人が多いです。
と、いうのも使う車は商用ライトバン、最近だと維持費の安い軽の1BOX(配送業者がよく使ってるタイプ)が多いので、後部座席は格納して荷物優先状態にするため基本的に使わないのです。
1日に何件も現場を持ち回り、更に担当物件でトラブルがあれば急行しなければならないので、仕事としては外回りの営業担当に似てる部分もあります。
あと当然ですが車を運転する以上、事故のリスクは付いて回ります。
1日の巡回を終えてさぁ帰ろうかとなると、もう眠いのなんの・・・
ただ一度、会社を出れば、夕方まで戻ることはありませんので
「同じ事務所内にいるのは苦手だ」
という人には向いているでしょう。
常駐型ビルメン
建物の管理センター(中央監視室・総合管理センターなど呼び名は色々)を職場として、そこをベースとして、1つの建物だけを担当するスタイルです。
(近所の建物の巡回が付随業務として割り振られていることはあります)
小さい現場だと中央監視装置と呼ばれるパソコンの前に座る監視役が1人、巡回兼トラブル対応が2~3人なんてところもありますが、大きい建物は監視役が2人に、その他が10人以上なんていう規模もあります。
(管理人の知る限り40名現場というのが最大規模)
マネジメント系のお仕事が多いとこだと「事務作業 兼 電話対応 兼 緊急対応要員」だったり、自分の割り振られた定期点検終えたら事務作業だったりと、まぁ色々です。
動き回るといっても建物内だけなので巡回型ほどの多忙さはありません。
反面、管理センターの雰囲気が悪いと、ストレスが半端じゃありません。
特に小さな現場でヌシと化しているタイプがいるせいで新人が逃げていくなんてことも。
あと基本的に何もなければ定時上がりなんですが、酒飲みの上司や先輩がいると誘いを断るのが面倒だったりしますね・・・
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