巷ではビルメン=楽勝な仕事というイメージがやたらと強いようです。
実際に現場に10年弱いた自分からすると
「誰だ、そんなこと言い出したのは」
という感想です。
ビルメンは労災が多い業界
まず最初にはっきり言ってしまうと
舐めてかかると命の保障は出来ません
ビルメンテナンスは清掃などの業務も含めてですが、年間20人ほどの死亡事故が絶えない「死亡事故と隣り合わせの業界」です。
(平成22年度厚生省資料より)
年間20人の死亡事故が
事故として多いのは「転落」「転倒」。
脚立から落ちた、不安定な足場でバランスを崩して…
このパターンが非常に多いのです。
理由として「就業者のうち中高年が多いから」というのもありますが、20代従業員の労災事故も報告されていますので、まだ若くても決して他人事ではありません。
何でビルメンって、そんなに労災が多いの
中高年が多いので件数が多くなりがち、というのは先にも言ったとおりですが、それだけじゃありません。
1メートルは一命取る
現場仕事をする人間には、こんな格言が存在します。
転落事故というと「高い足場から落ちて、全身打撲でお亡くなりに・・・」というイメージがありますが、実際に1メートルの高さから転落。頭部を強打して死亡した事例が存在するのです。
故に「1メートルでも命を失う=一命取る」、大したことない高さでも十分死につながる恐れがあるという戒めの言葉として、この格言があるのです。
実際、ビルメンの現場では約1メートルの脚立や足場を使うことが多々あります。
少し高めの天井で電球・蛍光灯を交換する、大型の機械の上部を点検する、日頃から「慣れてしまっている」ために安全意識が欠如してしまいがちなのです。
転落事故の他にも、配属されるビルにもよりますが
感電、酸素欠乏、熱傷、挟まれ
こういったリスクを多数抱えています。
しかし、どれも建築業などと違って「極端な危険」ではない、故に軽視されがちな風潮がこの業界にはあるのです。
また少ない人数が建物内のアチコチで仕事するという特性故に監督がおざなりになりがちだったりというのも要因のひとつとしてあります。
大手のゼネコンが元請の建設現場は入場教育やら安全パトロールがかなり厳しく行われていますが、ビルメンでは「これくらいなら大丈夫でしょ」の雰囲気が未だ健在です。
しかし、事故の大半はちょっとしたことで防げる、または軽傷で済むような事例ばかりです。
最近では系列系大手を中心に、保護具着用などが徹底されている傾向もありますので、これからビルメン業界に入る方はそういったところもチェックされるとよろしいかと思います。
労災が全く無い業界など存在しませんので、何処まで自分の中で妥協するかという話になりますが、ただ常に危険と隣り合わせだということはお忘れなく。
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