Pocket

ビルメンの過酷現場TOP3の大定番、商業施設・病院と来たら、もう1つの定番中の定番は「ホテル」。

ホテルのビルメンも現場からの嫌われっぷりは凄まじいものがあります。

何故にホテルビルメンが嫌われるのか解説していきましょう。

その壱・設備数の多さ

ホテルは一般的に1フロアを何十個という客室に区切って営業しています。
そして、それぞれに水周りやらエアコンやらの設備が備え付けられていますので、とにかく設備数が多いのです。

1フロア20室×10階建としても200室。

エアコンのフィルター清掃だけでも凄まじい手間です。

当然、数が多いということはトラブル・故障の頻度も高くなります。

この凄まじい数の多さがホテルビルメンの嫌われる所以です。

その弐・神様()が相手

昨今のお客様は神様云々じゃないですが、ホテルを利用されるお客様の中にもやはり些細なことで烈火の如く御怒りになる方がいらっしゃいます。

ビルメンは直接お客様と関わることは無いと思いがちですが、ホテルの場合はお客様が宿泊されている部屋に修繕作業に向かうことも。

「なんで治らないんだ!」「こっちは金払って泊まってるんだぞ!」「まだ治らないのか!」「金返せ!」

結構エグい言葉をぶつけられることもありました。

で、そんな神様()達を相手にしているホテルのスタッフ達も常にストレスの捌け口を求めています。当然、矛先は我々です。
「中途半端にブランド感のあるホテル」が一番人間関係が悪いと同業者の間では噂されていました。
高級ホテルじゃないけどチェーンとかでブランドイメージを大事にしているようなところですね。
あの手の類のスタッフは全員とは言いませんが、ビルメンを「下等人種」と見下している節があります。

その参・ドケチ

昨今のホテル業界は、とにかく薄利多売。回転率・稼働率が命。

客室の回転数を上げてナンボ、無駄は限界ギリギリまで省く、というのがトレンドのようで、そういった「ケチ」な部分は設備にもかなり皺寄せとなって押し寄せてきます。

例えば先ほどの客室でトラブルがあったケースでも、トラブルに備えた予備客室を用意しておいて貰えれば

「代わりのお部屋をご用意しておりますので、そちらへ」

と、まずは他のお部屋に御案内することで一次解決を図れます。

しかし管理人が経験したホテルでは、特に休日なんかは限界ギリギリまで部屋を埋めてしまっていましたので、そんな解決法は不可能です。

また、こういった薄利多売思想は設備に対する考え方にもかなり顕著に現れているようで

「設備の負荷に安全率を見越していない設計なのでトラブルが起きやすい」
「客室の備品も予備品を極力持ちたがらない。その割に発注に時間が掛かるというと怒る」

こんなのばっかりでしたね。

さて、ここで管理人のエピソードを1つ。

フロントから「客室の電気が点かない!」と連絡を受けて現場へ急行。
調べたところスイッチの不良と思われる症状でしたが、ホテル側の客室設備として取り付けられているものだったので、一般的な修繕用の備品では治せません。
「スイッチが壊れているようです。同じものがあれば電気工事で交換出来ますが、そちらでお持ちですか?」
答えはNO。そんな予備品は持っていないと。

「では、此方で電材の問屋に同型品を発注しますが、特注品の場合いつ手に入るか分かりません。なるべく急ぎますが・・・」

もうここからは罵詈雑言の嵐。
「なんで治せないんだ!お前ら設備屋だろう!」
「治せない間、この部屋は使えないというのか!一部屋使えなかったら売上にどれだけ響くと思ってる!
「なるべく急ぐじゃないんだよ!いつなんだ!?」
あぁ思い出しただけでも胃がキリキリと・・・(遠い目

高い稼働率を保ちたいなら予備品を豊富に用意しておけばいいのです。
極端な話、とりあえず物だけ交換できれば、その場は解決できます。

しかし経営学の観点から言うと「在庫」というのは持てば持つだけ損失です。
これを極限まで突き詰めたのが某自動車会社のジャスイトインタイム生産方式で「必要なものを必要なときに必要な時だけ」で無駄を極限まで省くことで利益を追求しています。
客室の故障に備えた予備品も、当然ですが使うまでは無駄な資産となり、経営上はマイナスの価値になります。

本来、この「在庫を持つことのメリットとデメリット」を天秤に掛けて在庫量を調整するのが経営学ですが、何故か昨今の企業は「メリットだけ」欲しがります。
デメリットは言ってしまえば責任丸投げしてしまうのです。

で予備品を持たないというメリットを享受したホテル業界から、デメリットの部分を丸投げされるのがビルメンであると。

本当、金の亡者、腐った業界だと思います。私は二度と働きたくありません。