最近のオフィスビルでは空調はビルマルチのパッケージ、換気用として全熱を設置しているところが多いかと思います。
さて、この全熱という呼び名、建物や業者によって
- 全熱交換器(全熱)
- ロスナイ
- ベンティエール
などと違う事がないでしょうか。
管理人の周りは圧倒的に「ロスナイ」で呼ぶ人が多いのですが。
そもそも全熱交換器とは
空調において全熱とは「顕熱=温度」と「潜熱=湿度」の両方を合わせたものを言います。
熱学でいうところの「エンタルピー」です。
全熱交換器の中には吸湿性のあるエレメント(全熱交換素子)が入っており、通過する排気の温度だけでなく湿度(空気中の水分)も吸収します。
顕熱だけではなく、潜熱も一緒に回収して、エレメントを通じて熱交換を行うので「全熱を交換する」=「全熱交換器」と呼ぶわけです。
一般に全熱交換器というと、天井にカセット型で設置されているものなどが思い浮かびますが、大型のエアハンユニットに組み込まれている円盤状の巨大なものなども全て「全熱交換器」と呼びます。
ロスナイって?
ロスナイは設備名ではなく、空調用機器の大手・三菱電機が製造している全熱交換器のブランド名です。
現在から遡る事、約50年。
全熱交換用のエレメントという、それまでに無かったシステムを一早く開発、市販に成功したのが三菱電機の「ロスナイ」だったのです。
以降、全熱交換器全般、特に天井カセット型や隠蔽型など小~中規模の設備のことが「ロスナイ」という愛称で呼ばれています。
ベンティエールって?
ベンティエールは空調設備のトップメーカーの1つ、ダイキン工業の全熱交換器のブランド名です。
筆者自身、パッケージエアコンはダイキン製が最も信用出来ると思っておりますが、この「ベンティエール」という名称を使ったことがあるかというと・・・
正直、ビルメンやってて一度も無いような気がします。
やはり一度定着した名称というのは、非常に根強いのです。
まとめますと、全熱交換器というのが設備の一般的な名称、ロスナイやベンティエールはそのブランド名で、特にロスナイは日本初の全熱交換器だったこともあり、設備名とほぼ同等に使われているということになります。
お役に立ったでしょうか。
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